◎【萩生田富司議長】第40番、井上睦子議員。

                   〔40番議員登壇〕                   
 事務監査報告の指摘について、今、消防団と郷土資料館についてはいろいろ御答弁がありました。監査の指摘した事項については、それぞれの部署で改善方、取り組みの報告がありましたので、1点だけ、郷土資料館の今後の方向性の問題についてお伺いしたいと思います。

 監査の指摘、4点あるわけですが、博物館構想が断念されて、今後博物館機能の充実は、限られたスペース、財源の中で、効率的な管理運営方法をするようにという指摘がございます。

 しかしながら、資料が余裕教室であるとか、あいた施設に保管、収蔵されていて、管理状態もよくなかったという状況の中で、本当に今の施設を中心として、博物館機能が充実できるのかどうかという疑問がございます。新しいプランの中には、博物館機能の充実として文化財の保存、継承ネットワークづくりを進めるとともに、エコ・ミュージアムの拠点を兼ねた基幹施設を整備しますとなっています。監査の指摘は、これを具体化しなさいということだと思いますが、物理的に手狭な状況、限られた施設の中で、どのように具体化していくことが可能なのか、私は極めて疑問を持っておりまして、新たな集中した資料の収蔵、あるいは保存、管理というような施設と、それを市民に提供していくエコ・ミュージアムというような機能は、新たな形の中で組み込まれていかなければ不可能ではないかと思ったわけであります。先ほど部長は、これから充実してまいるということでございますけれども、そのようなことが現行施設の中で具体的に可能なのかどうか。その1点についてお伺いしたいと思います。御答弁をお願いいたします。



◎【萩生田富司議長】 社会教育部長。                   
 これからの郷土資料館の機能の充実をどう図っていくかという御質問でございますけれども、基本計画の策定に際しましての市民会議でも多くの御意見がございましたエコ・ミュージアムの考え方をベースにいたしまして、既存の民間の博物館、美術館とも連携したり、史跡や文化財施設等をネットワーク化して、博物館機能の充実を図ってまいりたいと考えております。

 これまでの博物館建設は、まずハードありきでしたが、今後はソフトの充実に努力したいと考えております。



◎【萩生田富司議長】 第40番、井上睦子議員。

                   〔40番議員登壇〕                   
 それでは、3人の質問者から多岐にわたって御質問がありましたので、何点かお伺いをいたします。

 まず、住宅・都市整備公社のあり方の検討の問題について、年度内に結論を出すということでありました。私も寄附行為の変更ができなかった経過からすると、東京都と今後協議をしても、一切の寄附行為はできないという段階ではないかと思いますが、平成14年度の計画の中には監督官庁と協議をしていくとありますけれども、引き続き監督官庁と寄附行為の変更について協議しているのかどうか。もうそういうことではなくて、廃止を視野に入れた検討が始まっているのかどうか、その辺について明確にしていただきたいと思います。

 東京都は、すべての財団法人のあり方について、今、政府が存続や廃止の方向について検討を始め、そろそろ中間発表があるという中で、東京都が監督するすべての財団法人の寄附行為や定款の変更については、極めて慎重であります。そういった中で、東京都が寄附行為の変更に応じない以上は、新たな目的を持った公社のあり方ということはできないわけでありますので、結論としては廃止をせざるを得ない事態になっているのではないかと思いますが、東京都との協議、あるいは国の財団法人のあり方検討を含めて、今、どのようなことを最終的には詰めておられるのかお聞きしたいと思います。

 そういった中で、楢原用地 330平方メートルを土地開発公社から購入するという計画になっています。土地開発公社の方は、先ほどから指摘がありましたように、持っている塩漬け用地を早くに解決するという方向で努力されてきたことは認めますけれども、この楢原用地を土地開発公社の負担を軽くするために、利用計画も持っていない住宅・都市整備公社の方に押しつけたのではないかという気もするわけです。市からの要請によって購入をし、利用計画はまだ未定であるというふうな形になっておりますので、存廃を含めての検討が始まっている中で、活用ができるかどうかわからない楢原の用地を、土地開発公社の整理といいますか、その方向に従って購入していくというのはいかがなものかと思いますが、その点についてお答えをいただきたいと思います。

 次に、土地開発公社の問題でありますけれども、あと北部総合公園用地と八王子インター北部地区流通業務団地については、今後処分方針としてどのような形でお考えであるのか、お伺いしたいと思います。そして、土地開発公社の今後の方針については、慎重に検討するということでございました。塩漬け用地の解消に努めつつ、公社の機能としては残しておくという判断なのかどうか、その点を明確にしていただきたいと思います。

 学園都市文化ふれあい財団の問題についてお伺いをいたします。これは3つの公社や財団が統合して、複雑な職員の身分体系を持っております。これは学園都市文化ふれあい財団に統合される前の問題でありますけれども、市民センターの職員の雇用条件について、平成14年度から平成15年度、16年度、17年度にわたって、給料、期末手当等、労働条件の変更が行われました。

 また、運動施設の管理をしているパートの職員に対しても、1年の雇いどめ雇用の契約に変更されました。財政が厳しいという中で、そこで働くさまざまな身分の人たちの労働条件が、働く立場にとっては切り下げられていったという経過があります。今後、その人たちの身分がどのようになるのか。あるいは、市民センターの将来の管理運営の方向について、仕事としてはなくなっていくのではないかというような不安もあります。こうした職員の人たちは、自分たちの労働条件なり何なりを守っていくための交渉団体を持ちません。したがって、平成15年度以降の賃金労働条件変更の際、きちんとした説明や合意形成が職員との間に行われているかと言えば、私は甚だ問題があったというふうに思います。この間、市民センター職員や運動施設の管理をしている職員の賃金や労働条件の変更について、交渉団体を持たない職員の人たちとの合意形成をどのように行ってきたのか。財団は、ある意味では市が出資する公的な機関であります。  一方で、行政が労働者を守るためにさまざまな労働法制を守りながら企業や市民に啓発なり援助の活動をしていくと同時に、市や公的機関が雇用主となっているところは、一方で働く人たちの労働条件や身分の問題をきちんと考えていかなくてはならないと思いますけれども、その点、どのような経過であったのか、お示しをいただきたいと思います。

 そしてもう1つは、地区図書室の運営の問題であります。これはコミュニティ振興会以来、自主的な財団の活動として運営をされています。地区図書室の運営については、この地区図書室の蔵書数や施設面積によって開館日数や貸し出し時間、あるいは利用者数や登録者数、すべてアンバランスであります。そういった中で、平成2年には北野地区図書室を図書館分館にしてほしいという請願が出されております。このことについてまだ問題は解決していなくて、請願は採択されたけれども、この10年以上、分館の動きは一切ないというのが実情であります。財団としては、この請願を受けてどのような努力をしてきたのかということをお示しいただきたいと思います。  最後に、土地信託の問題であります。先ほど極めて厳しい見通しが示されました。その中で1点、信託報酬の問題について私は疑問を持っておりますので、お伺いをしたいと思います。

 信託報酬は、オフィス部分と公共施設の賃貸料の合計に信託報酬の利率をかけて、安田信託銀行側が報酬として受け取っているわけでありますけれども、極めて情勢が厳しい中でも、安田信託銀行の報酬というのは保証されています。こうした中で、オフィス部分の賃料は平米数 2,700円、公共施設は平米数 4,000円となっていて、8億円以上の公共施設からの賃料によって、安田信託銀行側の報酬が保証されているという実情があります。

 こういう中で、資金を提供し、その資金を提供した利率によって安田信託銀行側は利益を得、また、オフィスビル部分についての入居率が高くならなくても、大部分、80%以上の賃料収入のできる公共施設賃料の部分で信託報酬の利益を得ていることになります。ましてや、平米単価 4,000円という中で、今の民間の賃貸ビルの事情からいけば、法外な高い賃料を八王子市側は払っているわけです。こうした事情を考え、また、現在の経済情勢、あるいは安田信託銀行側の責任ということを考えるならば、信託報酬の利率、逆算をしていくと 1,000分の24が賃貸収入から得られる報酬ではないかと思いますが、その部分の引き下げという交渉に入っていいのではないかと思います。その点について、どのようにお考えかお示しいただきたいと思います。

 以上で1回目の質問を終わります。


◎【萩生田富司議長】 会議時間も長くなりましたので、暫時休憩します。
                                   〔午前11時55分休憩〕
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                                   〔午後1時00分再開〕

◎【萩生田富司議長】 都市整備部長。                   
 それでは、私の方から2点ほど御答弁申し上げます。

 まず、寄附行為における東京都との協議でございますけれども、昨年、計画を断念した以降、意見交換は行っていますけれども、その後の協議は行ってございません。住宅・都市整備公社としましては、今後のあり方について検討してございました。本年5月に公社改革検討会が設立されまして、今後の公社のあり方を検討していくということになっています。その結果、段階で協議を改めて続行していくことになろうかと思います。

 それから、楢原の 330平方メートルの用地の取得の件でございます。御存じかと思いますけれども、ここは以前、市として公園に使用との計画がございました。現在は、その計画が凍結してございます。したがいまして、土地開発公社も行革の一環として、これを処分する検討をしてきておりました。当該地は、私ども住宅・都市整備公社用地1万 6,400平方メートルのど真ん中に 330平方メートルが位置しておりまして、道路に接してございません。そのため、土地開発公社の事情も勘案し、住宅・都市整備公社が買収することによりまして、用地の一体的利用が図られます。そういうことで、双方にメリットがあるということで、今回取得することといたしてございます。



◎【萩生田富司議長】 財務部長。                   
 まず、土地開発公社に残されました2件の用地の処分の考え方でございますが、土地開発公社とは別に、市として先行取得機能を持ってございます土地開発基金がございますので、これの活用と合わせて、できるだけ早期にこの開発公社の残された2件についても解消を図っていきたいと考えております。

 それから、土地信託の関係の信託報酬の件でございますが、これまでも見直しの交渉をしたことはございます。ただ、契約書にはっきりと率等が示されておりまして、今のところは契約書どおりの対応となっております。



◎【萩生田富司議長】 生涯学習部付参事。                   
 市民センター業務員の雇用条件の変更につきましては、平成13年9月に、八王子市における補助金等のあり方についての提言がございました。これを踏まえて、市民センターの職員体制の見直しを実施しまして、一定の案を平成13年12月に市民センター管理者に説明を行いました。その後、市民センター業務員全員に対しまして通知し、理解を得たところでございます。

 その後、平成14年8月に市民センター管理者会議におきまして管理者の方々に最終案を提示し、了解を得ました。その内容につきまして、平成14年10月に業務員全員に対しまして、平成15年度以降の勤務労働条件の内容につきまして文書で提示いたしまして、不明な点などを説明し、全員の了解を得ました。したがいまして、雇用条件につきましては、合意を得ているものと認識しております。今後の勤務労働条件の変更につきましては、十分説明して、理解を求めていきたいと考えております。

 それと、運動施設業務員の雇用条件につきましては、施設の受付等管理業務につきましては臨時職員で対応してございます。雇用形態は1年契約という形態をとっておりまして、勤務態度等の問題がない限りにおきましては、契約の更新をしております。特別な事情がない限り、65歳を一定の制限年齢と考えております。

 次に、図書館分館化の取り組みでございますけれども、過去、図書館分館化の議論がなされまして、今後の問題として協議をするという確認がなされた経緯がございます。共通認識といたしましては、地区図書室の人員体制、開館時間等の問題も多くありまして、地区図書室の運営は現行の体制でいくということで、今行っているところでございます。



 最後に、図書館との協議をしているかということでございますが、関係者間では意見交換を随時行っております。しかしながら、分館の移行につきましては課題も多いわけでございますので、現状においては難しい状況と考えております。


◎【萩生田富司議長】 第40番、井上睦子議員。                   
 住宅・都市整備公社の今後の問題については、改革検討会の中で議論していると。年度内に結論が出るということは市長からも御答弁がありましたので、その推移を見守ることとしたいと思いますが、やはり受託事業が大部分を占める公社の役割は、私は終わったのではないかと思っておりますので、ぜひその方向での御検討をお願いしたいと思います。

 土地開発公社の問題は、土地開発基金をもって早期に解消を図りたいということでありました。今後の問題については慎重に検討するという市長の答弁がございましたけれども、所有している土地の早期解消を図りながらも、組織としては継承していくのかどうか、その点について明確にしていただきたいと思います。

 先ほど住宅・都市整備公社に質問いたしました楢原の土地の売却、土地開発公社からいけば売却の問題でありますけれども、早期解消のために住宅・都市整備公社側に売るということを、ある意味では押しつけたのではないかと思うわけですが、今後、住宅・都市整備公社の存続の問題を含めて、そこの結論が出ないままに売るということはどうなのかなと思います。存廃の方向が決まった後に、この楢原の用地をどのようにするかということを土地開発公社は考えなければならないのではないか。逆に言えばそのように思うわけですが、先ほど相互にメリットがあるというような答弁もありましたけれども、今後の方向性のいかんによっては、この土地の売却については流動的であるというふうに考えるわけです。その点についてはどのように考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。

 次に、学園都市文化ふれあい財団の問題でありますけれども、市民センター職員の労働条件、あるいは運動施設の職員の身分、労働条件の問題について経過の御説明がありました。文書を提示して全員の了解を得られたという報告がありましたけれども、管理者会議で了解をされているということで、直接的な雇用者とそこで働く職員との合意形成ではないわけです。管理者というのは各住民協議会の会長さんでありまして、労働契約の関係においては、雇用主でも労働者でもない人たちと財団側が説明をし、了解を得るという手続は大変おかしいのではないかと思います。交渉団体を持たない職員の人たちに対しては、直接の使用者との協議なり合意形成というルールをきちんと確立しなければいけないのではないか。それぞれに分散して各市民センターに働いておりまして、職員が自分たちの労働条件、身分の問題について管理者である住民協議会の会長に言いにくいという風潮はありますし、そのことは財団側も十分御承知のことと思います。ぜひ管理者がクッションになってこの問題を解決する、お互いが合意をしていくということではなくて、もっとストレートな、きちんとした合意形成の方法というものを今後はぜひしていただきたいと思います。その点についてお考えをお示しください。

 図書館の分館化の問題であります。関係者間では協議をしているけれども、移行はとても難しいという御紹介がございました。すべての地区図書室を分館化するということではなくて、請願は北野地区図書室でありました。また、使用状況なり貸し出し冊数などを見ておりましても、由木中央でありますとか、一定活発な活動を続けているところについては、分館化を図りながら図書館サービスを充実させていく、極めて限られた施設、あるいは人材の中で補強していくということが、図書館行政をより広く展開していく方向につながるというふうに私は思います。

 今、八王子市子ども読書活動推進計画などが出されて、市民全体で読書活動を進めようという中で、良質な図書を提供する、あるいは図書の提供だけではなくて、さまざまな市民の知的な要求にこたえようとする図書館行政が三多摩の中ではまだまだ不十分なわけであります。このことは請願が採択されておりますので、財団側としても図書館に対して、自分たちが自主的な事業として行っている地区図書室行政をより市民のために活発にするためには分館化が必要であるという意見をぜひ挙げていただきたいと思います。図書館側がその方向で決断をすれば、財団側には問題はないと思いますが、図書館側からそのような意向があれば、幾つかの図書室が分館へ移行していくことについて財団側は反対しないのではないかと思います。その点についてお示しいただきたいと思います。

 最後に、土地信託の問題であります。信託報酬は、今契約書に定められているとおりであるということでございましたけれども、先ほど申し上げましたように、公共施設の賃料の部分で、8億 7,000万円ぐらいが信託報酬の大部分を占めるというような状況で、極めて経済情勢が厳しい。それは行政側の当初の計画から、大幅な事業計画の修正を強いられているわけです。信託報酬の利率というのは契約書に書いてあって、当初の契約の利率だと思います。こうした経済情勢を反映して、安田信託銀行側もそれなりの責任をとるという意味で、信託報酬の引き下げについて協議を開始することは可能ではないかと思いますが、その点についての御見解をお示しいただきたいと思います。

 以上で、質問を終わります。


◎【萩生田富司議長】 都市整備部長。                   
 楢原の土地につきまして、私の方から改めて御答弁申し上げます。

 まず、先ほど御答弁申し上げたとおり、以前、市として公園をつくるという計画があったので、土地開発公社の方に用地をお願いして取得してもらっていた。その用地が住宅・都市整備公社の持っている1万 6,000平方メートルのど真ん中に 330平方メートルある。ですから、それをこのままにしたとしても、有効には活用できない。だから、公社改革検討会の中で、どういうふうにしようという方向性が定まってこれを活用しようとなったとしても、いずれは取得しなくてはいけない。そういうことで、先ほど言いましたように、土地開発公社の方にも住宅・都市整備公社の方にも、それぞれにメリットがあるので、今回ここで押しつけではなくて、私どもの方から解消したいということで提案させていただいてこういうふうになったということでございますので、御理解いただきたいと思います。


◎【萩生田富司議長】 財務部長。                   
 信託報酬の見直しの信託側との交渉の件でございますが、信託報酬だけに限らず、ほかのものにつきましても、契約書でうたってあることは厳しい点があるんですけれども、市サイドにとってメリットがあることにつきましては、今後とも信託側と交渉していきたいと考えているところでございます。


◎【萩生田富司議長】 生涯学習部付参事。                   
 市民センターの職員の労働条件でございますが、館長につきましても、同じ職場で職員と働いているわけでございますので、一定の理解も必要と考えております。合意につきましても、労働者であるセンター職員個々の承諾も得ておりますので、問題はないというふうに考えておりますが、労働条件の変更につきましては、今後も十分説明を行っていきたいと考えております。

 図書館の分館化につきましては、蔵書数の多い地区図書室もございます。横山南センターもことしオープンする予定でございますので、今後の問題として、引き続き関係者間で十分協議を行っていく考えでございます。


◎【萩生田富司議長】 畑中助役。                   
◎【畑中俊和助役】 土地開発公社の組織の存廃についてお尋ねがございました。午前中の質問にもありましたように、公社の保有します土地は大幅に減らすことができました。このことは議会の御理解をいただいた中で、大変な成果だというふうに自負しております。

 そこで、処分が完了した後の公社でありますけれども、現在の経済状況からして、公社の存在意義というのはかなり薄らいできたと判断しております。今後を見据えた中で、組織の存廃についても判断をしたいと考えております。